展示案内

第1部 シベリア・シリーズ

香月泰男がシベリア抑留から帰還した1947年から、1974年にこの世を去るまで、足掛け27年にわたって断続的に描き継がれたシベリア・シリーズ。山口県立美術館の「全館まるごと香月泰男展」では、8年ぶりに全57点を一度にご覧いただきます。応召から大陸での戦争体験、敗戦とシベリア輸送、収容所での過酷な抑留生活、そして復員まで、香月が辿った足跡と作品に込められた思いを存分にご堪能ください。

章構成

  1. 応召 - 戦地の香月泰男
  2. 敗戦、そしてシベリアへ
  3. セーヤ収容所
  4. チェルノゴルスク収容所
  5. 復員 - 日本海をめざして
  6. 〈私の〉シベリア

※作品はすべて山口県立美術館所蔵
※《埋葬》および《左官》は、第三部「模索の時代-《埋葬》から《左官》へ」でご覧いただけます

第2部 “シベリア”を超えて

香月泰男は晩年、国内外への旅行に取材した版画作品を数多く描きました。明るい色彩に彩られた北の大地や異国の情景は、画家の洒脱な造形感覚を示しています。軽やかで開放感あふれる版画作品は、重厚な“シベリアの画家”のイメージをくつがえすと同時に、ライフワークとして取り組んで来た“シベリア”を越えようとするかのような、香月の新しい展開を予感させるものです。

画像:摩周湖
《摩周湖》 1971年

※作品はすべて山口県立美術館所蔵

第3部 模索の時代

1948年のシベリア・シリーズ第二作《埋葬》の後、1956年の第三作《左官》まで、香月泰男はシベリア・シリーズを描きませんでした。台所の食材など、身近なモティーフを描いていたこの数年間は、香月の創作活動にあってもっとも色彩豊かな時代です。それはまた、心理的に“シベリア”と再び向き合うために必要な時間であり、そして“シベリア”を描く独自の技法を獲得するための模索の時代だったといえます。

※所蔵先の記載がない作品は山口県立美術館所蔵

第4部 シベリア・シリーズの原点

一点のシベリア・シリーズが完成するまでには、複数の準備素描や習作が描かれ、試行錯誤を経た後、現在のかたちになっています。それらシベリア・シリーズの原点ともいえる準備素描や習作を通じて、当初のイメージがどのように絵画化されていったのか、シベリア・シリーズの造形の軌跡をご紹介します。

※所蔵先の記載がない作品は山口県立美術館所蔵